- 患者さまに使用するインプラント
インプラントのメーカーを見極めるポイント
インプラントのメーカーは世界中で数百社存在しています。各メーカーの情報を収集すると、やはりどのメーカーでも自社製品の長所アピールが目立ちます。これでは、一般の方の立場でどこの何が良いのかがわかりません。特に専門性の高い見知らぬ分野について言及されてしまうと、言われるままに「なるほど~」と感心させられてしまい、肝心のメーカーの評価は製品アピールの印象に左右されてしまいがちです。では、着眼すべきポイントはどこにあるのでしょうか。
長期的な使用に耐えうるものなのかを見極めること!
インプラントのメーカーを見極める際、最も重視しなければならないのは「長期的な展望」です。もちろんオペの成功率が低いようなメーカーは論外ですが、オペが成功することだけを見据えてメーカーを選んでしまうと、数年後に「ずっと使えると思っていたのに…」ということになりかねません。特にインプラント周囲炎と呼ばれるインプラントの歯周病は、顎骨の中に埋め込まれるインプラント体の品質が大きく影響を及ぼすものです。オペの成功に着眼しすぎるのではなく、その後の継続性をも念頭に各メーカーのインプラントを見極めていく姿勢が大切です。
10年先、15年先を見据えるメーカーを!
インプラントは、適切にメンテナンスを継続していただければ、10年先も15年先も持続的にご自身の歯のようにお使いいただけるものです。これはインプラント体が顎骨と一体化して結合し、本当の自分の歯槽骨のように機能するという原理によって成り立つものです。
各メーカーの製品に品質面で弱点があれば、このような持続性には期待できません。つまり、メーカーを吟味する上で重要なことは、10年先15年先を見据えてインプラントを提供しているかを見定めることです。
各患者さまデータをプロファイルし、10年先の残存率などを管理して常にその確率を安定化させようと尽力するメーカー、またその数値を公表する姿勢のあるメーカーが信頼に値すると言えるでしょう。
当院が採用する3つのインプラントメーカー
当院は、世界のインプラントのトップメーカーで40年以上の実績のあるノーベルバイオケア社のインプラントシステム、ストローマン社のインプラントシステム、メガジェン社のインプラントシステムの3つを採用しています。ノーベルバイオケア社は、インプラントのパイオニア企業でスウェーデンのブローネマルク博士が世界で初めて開発したインプラントを受け継いでいるものです。現在では全世界の200万人以上の方に使用され、製品バリエーションが豊富で柔軟なインプラントシステムを採用しているため、口腔内が比較的狭い日本人にも最適なものとなっています。
インプラントシステムの先駆者「ノーベルバイオケア社」
当院がトップメーカー「ノーベルバイオケア社」を選ぶ4つの理由
豊富な実績と世界的な信頼
「ブローネマルクシステム」は、1965年に世界で初めて臨床応用されたインプラントを受け継いだものです。骨とチタンが結合するという「オッセオインテグレーション」の発見を礎として、臨床への応用、そして現在の世界的インプラントの普及に至るまで、インプラント発展の中核をなしてきたインプラントシステムです。何より豊富な実績があり、世界で最も多くの科学的文献で証明されているという高い信頼性も併せ持っています。
アフターサポートの充実
インプラントは、10年先15年先と長期的に使用していく中で細かな部分に不具合が生じる可能性もあるものです。この際にメーカーが修理を行なうためのパーツやそれに応じるサポート体制がなければ、継続的にそのインプラントを使い続けることは難しくなってしまいます。この点、ノーベルケア社はアフターサポートに多くの予算を投じています。持続的にノーベルケア社の製品でインプラントを維持していただけるようにシステムが設計されていますのでご安心いただけます。
インプラントシステムの圧倒的な技術開発
ノーベルバイオケア社のインプラントには、「ノーベルガイド」と呼ばれるインプラントのシミュレーションシステムが用意されています。これは、CTスキャンデータを「ノーベルクリニシャン」と呼ばれる専用のコンピュータソフトに取り込み、3Dデータとして視覚的にインプラントの治療計画からインプラント体の埋入までをサポートするものです。またインプラント体の上に被せる人工歯(補綴物)の製作をサポートする「3D CAD/CAM」のようなハードウェア開発も積極的に行なっているため、インプラントシステムをトータルでサポートできる唯一無二のメーカーだと言えます。
トップシェアメーカーだから可能になる他院への引継ぎ
各患者さまには、将来的に転勤・引越し・ご結婚などを含めて歯科医院を変えざるを得ない事情が生じる可能性もあります。このような際、同じメーカーのインプラントシステムを採用している歯科医院を探さなければ、適切なサポートやメンテナンスを受けられないような事態も生じます。世界的にトップシェアを誇るインプラントメーカーをご利用いただければ、日本国内での歯科医院の変更という面でも広く汎用性があり、他院への引継ぎもよりスムーズになることが期待されます。
ノーベルバイオケア社を患者さまへオススメしている3つのワケ
「オッセオインテグレーション」と呼ばれる骨とチタンが結合する現象を発見したスウェーデンのブローネマルク博士は、自国の企業Boforsと共にノーベルバイオケアの前身である「ノーベルファルマ」を設立します。その後、ノーベルバイオケア社と社名変更がなされ、現在もインプラント治療の研究や製品開発が続けられています。当院がノーベルバイオケア社をオススメするワケを3つの観点でご紹介します。
特殊な症例にも柔軟に対応
ノーベルバイオケア社のインプラントシステムは、「オッセオインテグレーション」の発見以来、ブローネマルク博士を中心に研究が続けられ、現在では患者さまの各症例に合わせて「全顎補綴」や非常に高度な技術を要する「傾斜埋入」などにも対応できるレベルにまで高められています。
歯科医院の側でレベルの高い専門的な施術スキルが必要とされる反面、それをクリアできる医師にとっては受け入れられる患者さまの幅が広がるという点で大きなメリットにもなります。患者さまの立場で見れば、一本も歯が残っていない場合や、骨量とのバランスの中で難しい角度でインプラントを埋入せざる負えないようなケースにも柔軟に対応できるということになりますので、ノーベルバイオケア社のものは頼りがいがあるということになります。
豊富なラインナップの揃う汎用性の高さ
歯が残っていない無歯顎の方にも対応できる柔軟性の他にも、単独の歯の欠損のような場合にも、埋め込むインプラント体に豊富なラインナップがございます。
細くて短いもの、太くて長いものなど40種類ものインプラント体が用意され、各患者さまのお口環境に合わせて最適なサイズのものを選択することができます。
何十年もずっと顎骨に結合していることを見据えた手術となりますので、豊富なラインナップの中から最適なものを選べるというのは患者さまにとって非常に大きなメリットになります。
手術の成功と残存率が示す安心と安全性
「ブローネマルクシステム」は、一本の歯から複数の歯のインプラント治療まで、非常に優秀な治療成績を残しています。
10年経過後の残存率が97%という数値が公表されており、1965年にブローネマルク博士から世界初のインプラント治療を受けたイエスタ・ラーション氏(当時34歳)も、2006年に亡くなるまでの41年の間、後遺症を生じることなくそのインプラントを使用していたと言われています。
このような持続性の高いインプラントを受け継いでいるのが現在のノーベルバイオケア社になりますので、各患者さまにも生涯的なインプラントのご使用を見据えてご利用いただきたいと考えております。
いつまでもメーカーと繋がっていられる安心感
インプラントはオペの成功で全てが完結するわけではありません。
術後は丁寧にメンテナンスをしていただくことで安定的に継続してお使いいただけますが、長期的な視野に立てば、インプラントの各パーツのいずれかで部分的な修理が必要になる可能性もあります。
この際に、修理をしたいのにその時にはもうメーカーが存在していないようでは困ります。
世界的なトップシェアを誇るメーカーを選んでいれば、このような懸念は限りなく低く抑えることができますのでご安心いただけます。
「ストローマン社」
ストローマン社の本社は、精密機械産業が発展しているスイス・バーゼルに位置し、世界70カ国以上で歯科用インプラント製品を展開するリーディングカンパニーです。ストローマン・インプラントは、スイスのベルン大学とストローマン研究所が共同で開発し、1974年から臨床に導入されています。また、ITI(International Team for Oral Implantology / 口腔インプラント学の国際チーム)という国際的な学術団体との強力な協力関係を基盤に、長い歴史と豊富な臨床データに支えられた高い信頼性を持つインプラントを提供し続けています。
ストローマン・インプラントの特長
ストローマン・インプラントは、独自の表面技術により骨との結合が非常に早く進むため、治癒期間が短縮されるのが大きな特長です。また、インプラント体がコンパクトな設計となっており、日本人の顎骨にもフィットしやすい点や、優れた耐久性も魅力です。
「メガジェン社」
メガジェンのインプラントは、ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界70カ国以上で使用されており、その信頼性の高さが評価されています。通常、インプラント治療には複数回の手術や長い治療期間が必要ですが、メガジェンは「One Day Implant」というコンセプトのもと、一度の手術でその日のうちに治療が完了するよう設計されています。
メガジェン・インプラントの特長
メガジェン・インプラントは、抜歯後すぐにインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」に最適なシステムです。この治療法により、痛んだ歯を抜歯したその日に新しいインプラントを入れ、短期間で自分の歯のような状態を取り戻すことができます。代表的な製品であるAnyRidgeは、優れた剪断力を持つ独自のナイフスレッドデザインを採用しており、高い初期固定が期待できます。また、スライス型セルフタッピングなど、初期固定を強化するための工夫も施されています。さらに、S-L-A(Sandblasted, Large-grit, Acid-etched)表面を使用しており、インプラントと骨が迅速かつ強固に結合するため、高く評価されています。